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海のこと [石鹸・アロマ]


↑東ロンボクの元気なサンゴたち

先日 バリに泊まっていて ふと思ったこと。

私の泊まった ミンピ・リゾートはこのエリアでも設備の整った快適なリゾートホテル、
できた当初にくらべて サービスが随分カジュアル(笑)になったかな~と思ったけど
お部屋のお掃除なんかは 毎回しっかり綺麗にしてくれてました。
で、ある日 その掃除の最中にお部屋に入ると 1晩使っただけのシーツを
しっかり取り替えているじゃぁないですか。 当然といえば当然なんでしょうけど・・・

最近 バリのホテルでは 「シーツの交換はリクエストしてください」とか
「タオル交換希望の場合はバスケットに入れてください」というホテルが増えたような気がします
大儀は「バリの水の環境を守るため」ということもあるけれど
ホテル側の人員的な問題、電気代などのコスト問題も当然関係していると思われます。

でも「水の汚染を少しでも少なくする!」というのは私も大いに賛成で
1晩使っただけのシーツを毎回変える!なんて事は 本当に不必要な事だと思うんですよね。
きっちりベッドメイクしてもらいたいのは私も同じ せっかくホテルに泊まってるんだもん。
でも 毎回シーツを変えなくても よれよれになったシーツをのばすだけで
ちゃーんと綺麗にベッドメイクはできるんですよ(よっぽど汗をかいたとかは別にして)

その事をお掃除の人に言うと 「特に日本人は変えて欲しいって言う」んだそうで(耳が痛い!)
一緒に来ていた 私の友人に聞いても 
「自分の家のシーツは週に1回だけど ホテルなんだから、毎回変えてほしい」
・・・・・・・・・・・・・・・。
多分 こちらの汚水処理などのインフラのことを知らない上での発言だと思うのですが。 

こちらは下水処理などという観念は多分皆無で 生活排水は直接 海、川に垂れ流しなんであります。
(日本のドがつく田舎も まだこの状態ですけど、40年前の水俣病もこれが原因でしたよね)
大昔はヤシの実を焼いた灰などで 食器を洗っていたりしていたので 海、河川の影響もなかったけど
工業製品にすっかりならされた当地も 「合成」界面活性剤た~~っぷりの洗剤で洗濯をしています。

http://www.caramel-cream.com/life/surface/
http://www.ne.jp/asahi/dz/dai/gouseikaimen.htm
↑合成界面活性剤に関するサイト(一部です)

合成界面活性剤のおかげで 生活が簡単、便利になったというのは 紛れもない事実で
私自身もこれらの製品を使っているので エラソーな事は言えないのですが
たとえば みなさん バリやロンボクに来る 魅力というのは何かと言うと
やっぱり「綺麗な海」があるから というのがあるんじゃないでしょうか??

その人にとって シーツの1枚を毎日変えることはたいした事でないかもしれませんが
ホテルはそのお客さんだけでなく お客さんが入ってる部屋が100室あれば 
毎日100枚のシーツを洗濯しているんですよね これが毎日毎日 何年もの間 続けば???

その見事な例がロンボク ギリ3島のサンゴ礁です、 
私が10何年前に初めて来たギリ3島は それこそサンゴのスカートをはいたような 
時にはエダを見事なブルーに変化させる素晴らしいエダサンゴの群生の島でした、
それが一部のバックパッカーに発見され またたく間に 設備の整ったリゾートホテルが立ち並び 
快適になったな~と思った1998年 世界的な大エルニーニョが発生しました、
類にもれずこのエリアも平均水温が31度(普通は27-29℃)という高水温が続き 
白化したギリのエダ・サンゴは1ヶ月で その90%が死んでしまったのでした。
(ハマサンゴなどはその難を逃れました)
8年たった今  少しずつエダ・サンゴは復活していますが かつての姿を取り戻すには
どれだけの時間がかかるのか?想像もできない状態です。


同じギリでも ロンボクの東側にある ギリ・スラット、ラワンを初めとする
東側の小島の周りは 98年のエルニーニョを体験したはずなのに
エダサンゴはピキピキと元気そのものなんです。(上の画像は東のサンゴ群)
両島とも つねに流れがあり水が入れ替わっている状況なのに
なぜこんなに高水温の影響を受けたのか しばらく考え込んでしまったのですが・・・

両島の決定的な違いは 有人島(ギリ3島)か無人島(東側の島)かというところなんです。

ギリ3島は 急激な環境破壊(ホテルの乱立とともに 増えた汚水)によって
エルニーニョ以前から もうかなりサンゴが弱っていたんじゃないかと思うのです。
サンゴ類は 元来 栄養分の豊富な海には生息しないそうです。
(ギリ3島のように透明度のよい海はプランクトンが少ない=栄養分の乏しい海なんだそうです)
生活排水には 窒素やリンなどが含まれていて それが海水の栄養塩濃度を高くします。
栄養塩濃度の高い海には 海藻が生息に適しているそうで 
本島に一番近い ギリ・アイル(地元民が多く住む)では海藻類の林が実際多く観察されています。

シーツ交換1枚で えらいところまで話が飛びましたが
美しい海を失ってからでは 取り返しがつかない経験を ギリで体験しているだけに
個人個人で この美しい海を守るためにも 是非 心に留めてほしいと思ったのでした。
これは バリ、ロンボクに限ったことではありません。

「ゴミになるようなものは なるべく持ち込まない」=当地はゴミを処理する施設がありません
「洗濯ものもなるべく出さない」=汚れた水は河川、海に直接 流れているという事実
「合成界面活性剤の製品をできるだけ使わない」(天然界面活性剤の石鹸などは低公害だそうです)

私もこれを書きながら 気持ちを新たにした次第であります。
(少し前に当地のシャンプーの話題書いてましたが・・・・かなり恥ずかしい)
みんなで 世界中に残る 美しい海を守っていきませんか?


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